2010年3月 7日
千葉泰樹監督と「春らんまん」

神保町シアターで開催されている『春よ!乙女よ!映画よ! 春らんまん 噂の乙女映画たち』のラインナップから千葉泰樹監督の「春らんまん」を観てきた。
千葉泰樹は「大番」シリーズが有名な監督だけど、成瀬巳喜男と並んで藤本真澄の信頼が高く、数多くの東宝娯楽作品の水準を維持・生産し続けた職人監督。東宝プロデューサーだった金子正且氏は、「職人のトップをいくような人だけど、ホントはかなりの芸術家肌で大変な教養人」と述べているが、成瀬の戦後スランプを脱したキッカケになったと言われる作品「めし」は当初、千葉監督が予定されていて台本にも名前が印刷されていたのに病気降板し、成瀬に代役の白羽の矢が立ったというのは有名な話し。
もし千葉泰樹が予定通り「めし」を監督していたらどんな「めし」になっていただろうか?と空想を巡らせてみたくもなるが、同時に成瀬巳喜男の所謂"戦後スランプ"からの脱却ももう少し時間が掛かったかもしれないなぁ...とやや複雑な気分にもなってしまう。
鑑賞した「春らんまん」は1968年の東宝の正月映画で新珠三千代、司葉子、星由里子、白川由美、宝田明、森雅之、小泉博など豪華キャストによるホームコメディだが、あらすじはムービーウォーカーから引用させていただく。
両親の残してくれた結婚式場を経営する唐沢貞夫には、出戻り娘の冴子、波子、新劇女優鳩子、弟の典二郎の四人のきょうだいがいた。 ある日、貞夫は冴子の知りあいの社長山部から静を紹介され、電撃結婚してしまった。おさまらないのは他の四人である。勝手気侭に生活しているところへ静が現われ、唐沢家の実権を握られてすっかりペースが狂ってしまったのだ。四人は相談して、静を徹底的にイビリ抜くことにした。静は料理の腕前から、家計簿のつけ方までさんざん文句をつけられた。彼女にしてみれば"家つき、カーつき、ババぬき"の好条件に喜んで貞夫と一緒になったのに、こんな鬼千匹の落し穴があるのにガッカリした。しかも、貞夫は三年来の愛人民江といまだに切れないでいる有様だった。すっかり頭に来た静は料理を習って、四人に挑戦することにした。そして口うるさい小姑を片づけるべく、波子に縁談を持込んだ。相手は申し分ない。見合歴十三回の波子は乗り気になった。ところが、相手の男は見事な若禿の持主だった。静が会ったときはカツラをしていたのだった。これが原因で、静は貞夫とも気まずくなり、落胆して実家に帰った。一方、静のいなくなった唐沢家には主婦気どりの民江が現われ、家計を考えない豪華な料理を作って、冴子たちをハラハラさせた。四人きょうだいは、民江の傍若無人ぶりにすっかり、静がなつかしくなってしまった。その頃、貞夫のことが気になって寝つけない静は睡眠薬を飲んだのだが、母の夏江は自殺を計ったものと思い、貞夫に連絡した。四人はその知らせに泣き出してしまった。やがてそれは誤解と分り、貞夫はやはり静がいなくては、と民江とすっかり切れて、静を呼んだ。四人の小姑たちも、静と心から和解したのだった。
千葉監督らしい、手堅くまとめ上げていて最後までだれること無くテンポ良く話しが進むし、主要キャストの新珠、司、白川、宝田、草笛らスター陣は言うまでもなく素晴らしいのだが、実は脇を固めている浦辺粂子、千石規子、東郷晴子ら熟年トリオがかなり良い味出していて、この作品のトーンを決める重要なアクセントになっているし、新珠三千代演じる主人公の独身貴族を気取るオジさん役で登場する森雅之も相変わらずのこれでもかというダンディおやじっぷりがサイコー。
たぶん他ではお目にかかれない新珠三千代vs草笛光子によるパイ投げ乱闘シーンなど、もう爆笑ものの珍シーンだ。
そのうち日専でも放送してくれないかな〜。
- by Phantom
- at 18:52
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