
上野の国立西洋美術館で開催中の「カポディモンテ美術館展」を鑑賞。
最近は上野は上野でももっぱら東博通いばかりで西洋美術館の方はちょっとご無沙汰になってしまった。いつ以来かもハッキリ憶えてない...たぶん「ベルギー王立美術館展」以来かも、もしそうなら早2、3年ぶりとなる。なんせここ数年は日本美術に完全に傾倒していたからね。ま、今でもそうだけど、スペイン、イタリア美術も疎かにならない様にしないとね。ボルケーゼ美術館展はスルーしちゃったし...。

アルテミジア・ジェンティレスキの「ユディトとホロフェルネス」
今回、個人的に一番観たかった作品、
アルテミジア・ジェンティレスキ自身の暗い体験が色濃く反映しているのではないか。と、解釈されているが、まだ10代の時にジェンティレスキが被った不幸に対する復讐心がこのユディトと殺人を共謀する侍女と二人の毅然と殺害をやり遂げようとする意志と首を切り落とそうとしている二の腕に力を込めているユディトのやや冷笑的にも見える表情が、恐ろしくも凄まじい描写力で表現されていて本当に素晴らしい。
ナポリ派にとってバロックはカラヴァッジョからスタートしている訳で、同じ主題の先例としてカラヴァッジョの「ホロフェルネスの首を斬るユディト」があるけど、カラヴァッジョよりも写実性の高く、鬼気迫るこちらの画の方が好きだし、アルテミジア・ジェンティレスキ自身が後に模写したウフィツィ美術館にある方よりも圧倒的に良い。

グイド・レーニ「アタランテとヒッポメネス」
このグイド・レーニ「アタランテとヒッポメネス」は実はプラド美術館にもあり、美術家の間では、プラド美術館にある方が、このカポディモンテ美術館の画よりも先に描かれたもので、画の寸法もやや大きいらしいが、カポディモンテ版の方が個人的には素晴らしいと思うし、実際、質の高いのはカポディモンテ版の方だという。
これまで美術というとどうしても、フィレンツェやヴェネチア、あるいはローマ方面ばかりにどうしても目が向きがちだったが、カポディモンテ美術館の渋くて優れたコレクション(特にバロック作品)が他所に負けず劣らず豊富で南イタリアのナポリがやはり芸術的にも、とても重要な土地であった事の認識を深める事が出来た。