2010年8月29日

『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』

ようこそアムステルダム国立美術館へ

  渋谷のユーロスペースで『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』を観た。

  ユーロスペースで映画を観るのは久しぶりだが、上映中の劇場内が暑くてかなわなかった。エコ節電でなのかどうか知らないが、場内の気温が上昇すると空調が効いてくるのだが、そうすると今度は空調が止まってまた暑くなってくるまで動かない。温度上昇に反応するのか、一定間隔で作動するのか分からないが、こう暑いとずーっと効かせてくれないと逆に苦痛だ。空調が効いている時だって、それほど涼しいというワケでもないんだからね。暑い上にシートにずっと座って動きが自由にならないから、途中でやや集中力を欠いてしまった。

  『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』はレンブラントやフェルメールなどを所蔵するアムステルダム国立美術館の改築工事に密着したドキュメンタリーで、2004年に大規模な改装工事が始まるものの、度重なるトラブルによって工事が進まない美術館改築をめぐる騒動の全容に迫るという内容。とにかく美術館サイドのやる事なす事がトラブル続き。
  改築後の歩道と自転車用通路の利用をめぐって地元の市民団体とのトラブルを手始めに、手狭になった美術館の脇に増築する新センターが景観を損ねると反対されるわ、その度にテコ入れを強いられ意欲を失いかける建築デザイン会社。改築の為の許可証の膨大な数と関係各所の根回し、意欲的だが傲慢な権力者と批判に晒される美術館長。おおよそ芸術的な世界とは掛け離れた俗な現実世界。とにかく、考えられる全ての問題に一々、クレームが付き、昨日決定された事が翌日には覆される事の連続。そんな中でアジア館部長である学芸員の男性が新美術館の目玉として日本から購入した仁王像を目の当たりにして嬉々としている姿が救いのシニカルなユーモア・ドキュメント映画だった。

  劇中「誰も責任を取ろうとしない、いかにもオランダらしい仕事のしかただ」という発言が飛び出すが、この"オランダ"の部分を"日本"とお置き換えてもピッタリハマる。所謂、お役所仕事というのは万国共通なんだな...。

2010年8月22日

「126 POLAROID ーさよならからの出会いー」展

レディ・ガガ

  横浜美術館アートギャラリーで開催中のポラロイド写真展「126 POLAROID ーさよならからの出会いー」を観た。
  本展は2008年に製造・販売中止となった「ポラロイド」というメディアを再考するプロジェクトを発足した多摩美の作品を中心とした写真展で、今写真展は荒木経惟、森山大道、杉本博司など写真家、美術家、研究者、学生等の作品とあわせて横浜美術館所蔵の大判ポラロイド写真を展示していた。
  学生達の作品は被写体の選び方やアイデアがポラロイド写真の持っているチープな魅力とマッチしててなかなか面白かった。

  上の作品はマウリッツオ・ガリンベルティ撮影のレディー・ガガをモデルとしたポラロイドモザイク作品。

巨大カラス
  展示会を観終わった後、美術館正面フロアで涼んでいると、な、な、なんと全長180センチメートル以上はあると思われる巨大カラスに睨まれてかなり焦った...

と、いうのはジョークで、実は吉村益信の1969年の「大カラス」という作品オブジェだった。

2010年8月19日

京華樓のランチ

鶏肉のピリ辛炒めランチ

  ピリッとした物が食べたいなと昼時の関帝廟通りをウロウロ〜

  でもさすがに激暑で熱いものは嫌だ...

  そんな時、ちょうど目に入った京華樓のランチメニュー、鶏肉のピリ辛炒めの週替わりランチセット。
  刀削麺目当て(たぶん)の行楽客でいつも混雑しているので、普段は敬遠しがちな京華樓だけど、平日のランチタイム終了間際だった事もありスムーズに入れた。ピリ辛の味付け具合も自分好みだったし、店員の対応も良いし、満足なランチになった。本当は混雑以外にも違う面で敬遠してたんだけど、これならまた行ってもいいかな。

2010年8月17日

『浮世絵動物園』展

浮世絵動物園
大田記念美術館で開催中の「浮世絵動物園」展を観る。

  北斎から歌川派の多数の浮世絵師、その他、数々の絵師の浮世絵に登場するさまざまな動物が描かれている絵を展示していて、鳥獣戯画の描かれた始めた平安時代の昔から動物を擬人化して描くという発想が延々と現在まで受け継がれてきているという事が素晴らしいし、江戸の市井の風景にごく自然に描かれている犬や猫な様子を見ると、昔から動物と江戸の人々との距離感や関わり方が素朴だった事が伝わってくるし、江戸時代という時代も身近に感じられて楽しい気分になる。

歌川国芳 蝦蟇手本
  歌川国芳「蝦蟇手本ひやうきんぐら」

 
  余談だが、夜、家に居ると何気に外からドーン、ドンドンド〜ンなどと響いてる事に気づき「雷雨か?」と音が響いてくる方へ行き外に出てみると確かにドドド〜ンとか聞こえる。ただし雷とは少し違う。まるで爆撃の様な響き方で人工的で規則性があるようにも感じられる響き方だった。音自体が人工的な音という感じではないが、響くタイミングが人工的な感じ。
  花火かとも思ったが、由比ケ浜や横浜、八景島の花火大会ならハッキリ見える筈だし、音はもっと大きく聞こえる。しかし、どの大会もすでに終わってるし、まだの大会も今日ではない。
  
  結局、よく分からぬままに数十分すぎたが、音は続いているので、また外へ出て夜景に目をこらしていると、なんと木更津方面で花火大会をしているではないか。音の正体は木更津の花火大会の爆発音で、その音が浜風に乗って横浜までやってきたのだった。たしかに木更津は家から見えるし、過去に花火も見えた事はあるが、ここまで音が響いてきた記憶はないので、ちょっと驚いてしまった。

2010年8月10日

『ブリューゲル 版画の世界』

ブリューゲル版画の世界

  ピーテル・ブリューゲルの版画展をBunkamura ザ・ミュージアムで鑑賞。

  「バベルの塔」や数年前のベルギー王立美術館展でもやってきたブリューゲル(父)?による
「イカロスの墜落」などでも有名なブリューゲルの全版画とブリューゲルの同時代、後継作家の版画も合わせて150展を紹介する展示会なのでとても楽しみにしていた。

  鑑賞客は場所柄もあるのか、全体的に20代の女性が多く、決して芋洗い状態という程の大混雑ではないが(もちろん、それなりに混雑はしている)展示作品が、決して大きいものではないし、ものすごく微細に書き込まれている下絵の版画なので、みんなが覗き込むような感じで、中々その場所から動こうとしない。内心(こいつら、閉館時間までこのペースで全部、観きれると思ってんのか?)と腹立ち紛れにも心配してしまうくらいにノロマな状態だし、挙げ句に学芸員や係員も進むように促さない放置状態(そのくせ見張ってる係員の数はむだに多い)だから、途中で「図録買うからいいや」と半ば諦め状態で流し観た感じになってしまった。

  これから観に行く人は、私の様な割り切り方をするか、もしくは忍耐力に自信のある人はその力を発揮する覚悟が必要だろう。あと時間的余裕もね。

バベルの塔
  「バベルの塔」

2010年8月 6日

映画『インセプション』

インセプション
  クリストファー・ノーランの新作「インセプション」を観た。

  前作「ダークナイト」が中々良かったので期待していたが、原作モノやリメイクモノばかりが幅を効かせるハリウッドの中でオリジナル企画のハイバジェット作品を作り上げるだけでなく、良質のクライム・サスペンスに仕上げていて正直、「ダークナイト」よりも面白かったし、VFXを最低限に留め実写にこだわって撮影された事も素晴らしい。

  他人の見る夢の中に侵入し、夢の中に出てくる潜在意識の芽(アイデア等)を盗むという着想は、ともするとサイバーパンクの世界観だし、ウォシャウスキー兄弟の映画「マトリックス」の様な仮想現実での出来事と言える訳だけど、「マトリックス」とは違い、複雑なプロットなので「インセプション」での夢に関する"約束事"が早く掴めないと後半の追い込みで置いてきぼりを食らうけど...。小生も観ている時は、ストーリーを追いかけるのに手一杯で、細かい疑問などは後回しになんとか最後まで走破したが、後回しにした多少のモヤモヤを解消したいという思いも含め、もう一度観たいと思える作品だった。

  ところで、劇中にエディット・ピアフの「水に流して」が繰り返し流れるが、出演しているマリオン・コティヤールと引っ掛けてるのか?と思った人は私を含め、たぶん多かったのではないかと思うが、クリストファー・ノーランのインタビューによると「インセプション」を構想した10年前からピアフの曲を使う事を決めていたらしいので全くの偶然だったらしい...。ピアフの曲を使うのを止めようかとも思ったそうだけど。

  そういえば、ルーカス・ハースがケチな役で出演していたが、いつの間にあんな小さな役をやるまで落ちぶれてしまったの?「刑事ジョン・ブック 目撃者」や「マーズ・アタック」の頃が懐かしい...