2010年11月29日

『歌麿・写楽の仕掛け人 その名は蔦屋重三郎』展

蔦屋重三郎展

サントリー美術館で開催中の『歌麿・写楽の仕掛け人 その名は蔦屋重三郎』展を観た。

展示会概要を引用。

18世紀後半、安永・天明・寛政期の江戸には、浮世絵の喜多川歌麿、東洲斎写楽、戯作の山東京伝、狂歌の大田南畝(なんぽ)といった江戸文化を彩る花形スターが登場します。このスターたちの作品を巧みに売り出し、江戸文化の最先端を演出・創造したのが、版元の蔦屋重三郎でした。江戸吉原の人気ガイドブック『吉原細見』の独占出版、狂歌と浮世絵を合体させた豪華な狂歌絵本の刊行、当時の情勢を風刺した京伝らによる戯作の出版、歌麿の才能を存分に開花させた美人大首絵の発明、謎の絵師・写楽の"発見"など、次々と流行の最前線を創り出し、リードした人物です。本展では、この名プロデューサー「蔦重」の出版物を通して、多様な"江戸メディア文化"の華をご紹介します。

蔦屋重三郎は今で言えば大物出版プロデューサーでもありイベント仕掛人的存在と言える人でまだ無名の写楽をいち早く起用したり、当時は大首絵といえば役者絵でしか描かれなかった様式を遊女や芸者の浮世絵にも取り入れ当時これを大ヒットさせたり、歌麿や北斎、写楽など、当代一流の絵師にほぼ専属的な形で絵を描かせていた蔦屋重三郎というトレンドセッターを知らなかった私には嬉しい驚きと共に大変勉強になった。

やはりね〜いつの時代も流行仕掛人という存在はいるもんだし、またこういう蔦屋重三郎の様な存在がいた江戸時代の文化水準の高い、成熟した社会だったのかという事を改めて実感する事が出来た有意義な鑑賞だった。

2010年11月28日

中野京子氏の『ドガ展』 記念講演会

怖い絵
ジョルジュ・ド・ラトゥールの「ダイヤのエースを持ついかさま師」を表紙にしたのもまた良い。

この間観た『ドガ展』の関連イベントとして行なわれたドイツ文学者中野京子さんの講演会が横浜美術館であったので聴講した。
中野京子氏はメディアなどにも、たびたび登場する事のあるドイツ文学者で、著書に「怖い絵」1巻、2巻、3巻、や「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」等々、美術が専門ではない故の新鮮かつユニークな視点で画家と名画とその名画の描かれた時代的背景を自身の考察を交えて紹介している著書を数冊発表している。

今回の講演は著書「怖い絵」1巻の中のドガ『エトワール、または舞台の踊り子』の章で書かれている事をメインに「ドガの時代」と題して、ドガの傑作エトワールを中心に"踊り子の画家"とも評されるドガの出自と思想的な背景、ドカと親交のあったマネやエミール・ゾラとの関わりにも触れながら、「エトワール」がどのような社会的背景から誕生したのか?ユーモアを交えての1時間半の講演会だった。

2010年11月26日

『THE 紫舟展』

紫舟展in三越
大河ドラマ「龍馬伝」や「美の壷」の題字などでお馴染みの書道家 紫舟の個展『THE 紫舟展』を開催している銀座三越へ。

場所が銀座三越という事もあるが、「龍馬伝」の題字を手がけた事による宣伝効果やご自身によるメディア媒体への活発な露出もあり、かなり大勢のお客で賑わっててちょっと驚き。紫舟氏ご本人も在廊していたが、ガヤガヤと画廊内がにぎやかな中インタビュー取材を受けていたのでさすがに声は掛けられなかった。

紫舟女史の手掛ける書の素晴らしさは、多彩な書体(力強い書から繊細な書まで)もさる事ながら、揺らぎを感じさせる筆質が独特で、眺め続けていると、書なのに書ではなく絵を観ているような気になってくるところだ。その上、彼女の作品世界は和紙に書く"書"だけにとどまらずオブジェのような立体造形物としての表現にも力を入れていて、書道家というよりもグラフィック・デザイナー的な柔軟で豊かな創造力にぐんぐん引き込まれる。

今後の活動にもますます期待。

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キャラメルと洋なしのロール
三越のデパ地下をウロウロ〜堂島ロールでお馴染みのモンシュシュで期間限定キャラメルと洋なしのロールを買ってきてしまった。久しぶりのモンシュシュのロールケーキだが、相変わらずきめの細かいスポンジと生クリームがたまらない美味しさ。

2010年11月21日

OPEN! HERITAGE IN 山手【歴史的建造物一般公開】

外交官の家
OPEN! HERITAGE IN 山手-歴史的建造物一般公開-に今年も参加。

今年は山手の洋館を中心に、通常は一般公開していない部分や建物も公開されるという事で個人的には見慣れている部分はササッと流しながら特別公開部分を中心に見学。

「旧内田家住宅(外交官の家)」
101121a.jpg外交官の家3
JR石川町駅ホームから見える姿がお気に入りの「外交官の家」。設計はJ・M・ガーディナーでアメリカン・ヴィクトリアン様式の洋館。

「フェリス女学院大学10号館」
フェリス女学院フェリス女学院02フェリス女学院03
フランク・ロイド・ライトの助手として来日したアントニン・レーモンドの設計による初期モダニズム建築。

「山手111番館(旧ラフォン邸)」
山手111番館山手111番館02
J・H・モーガン設計によるいわゆるスパニッシュ・スタイルの外観。このあたりはやはりモーガン設計による、私の好きなベーリック・ホールとの共通性が高いのが特徴。

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ヤバ〜い、読まなきゃいけない本が溜まってきた...まぁ、好きで読んでるんだからぼやいてもしょうがないのだが...少しずつでも消化していかないと雪だるま状態がますます(苦笑)

2010年11月15日

APECと『ドガ展』

ドガ展
  APEC開催中のMM21地区が厳戒警備のおかげ?で人出も少ないだろうから今のうちに行っちゃえ!という事で横浜美術館で開かれている『ドガ展』へ。
  案の定、想像よりも人が少なかったのでゆっくりじっくりと鑑賞できたのでラッキー。

  実は正直なところ、ドガにはあまり強い関心はなく、どちらかというとマネが好きな小生だが、やはり傑作「エトワール」と「マネとマネ夫人像」も来てるワケだからスルーするわけにはいかないね、やっぱり。
  ところで、ドガは後年、当時発売されたばかりのカメラに興味を持ち自ら撮影をしたり、写真をベースに絵を描いたりしたという事も知られているが、日常的な生活のなかで行なわれる何気ない人の仕草や動きをきわめて自然かつ、そして、時には大胆なポージングをも自然な姿に描いてしまう柔らかい品のある筆遣い。カメラを手にする前から既にカメラマン的な視野を持っていたとしか思えない完璧な構図設計の見事さに感嘆。
  この人もう少し後の時代に生まれていたら、画家ではなくフォトグラファーとして名声を得ていたかもしれないなぁ。いや〜ドガさん、お見逸れいたしました。

APEC オバマ
  APEC閉幕後、オバマ大統領がパシフィコ横浜を後にしそうだったのが街の雰囲気で分かったので、野次馬根性で少し待っていたところをパチリ。我ながら何とも情けない画像だが、どうにか大統領の乗っている車両を撮影する事は出来た。おそらくこのまま鎌倉の高徳院へ向かったのだろう。

2010年11月12日

映画『カラヴァッジョ 天才画家の光と影』

カラヴァッジョ
  レンタルDVDでだが、かねてから観たかった『カラヴァッジョ 天才画家の光と影』を鑑賞した。
  日本では劇場公開された劇映画だが、本国イタリアではテレビの前・後編のミニ・シリーズで、それを再編集して一本の映画にしたらしいが、TVドラマにしては中々の撮影クオリティだなぁ〜と思っていたら、それもそのはず、撮影はなんとヴィットリオ・ストラーロ、と知って納得。

  映画「カラヴァッジョ 天才画家の光と影」 ビットリオ・ストラーロ撮影監督

  これまで、カラヴァッジョやイタリアン・バロック関連の専門書や美術書などの文字情報によって想像するしかなかった天才カラヴァッジョの創作風景や殺人を犯した後の逃亡劇など、彼の生きた16世紀後半から17世紀前半のイタリア社会を描いているので、この映画を観れば、今まで以上にカラヴァッジョの作品が好きになるし、あまりよく知らない人にとっても興味を持ちやすいだろうね。

  それにしても、街に溢れる娼婦達の衣装がおっぱいボロン状態だったり、娼婦を公開斬首刑する場面でも事も無げに生首ゴロンのショットを編集で処理したりせずに撮影しているのは中々に凄い。イタリアのテレビ放送レイティングはどうなってんのかね。


2010年11月 5日

『上村松園展』とか...etc

  中々、更新出来ずにいるが最近の目新しい出来事をまとめて記述しておく。

  ■東京国立近代美術館で開催されていた「上村松園展」を観る。
  これほどの作品が揃った上村松園の大回顧展を観る事が出来て本当に良かった。
  前期展示だった「焔」は国立博物館で鑑賞済みだったので今回はスルー。後期展示の「序の舞」は今回初めてじかに鑑賞したが(「序の舞」がお目当てだった)松園の細やかな筆遣いと女流ならではの観察眼の鋭さに改めて敬服する。

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  ■馬車道にあるEspresso Bar visvivaに行く。
  行こう行こうと思いながら最近は馬車道に寄るタイミングがなく、ずっと行きそびれていたからね。
  Espresso Barといってもイタリアン・テイストではなくニューヨーク・テイストの雰囲気。まぁ、バーニーズ・ニューヨークのカフェ的と言ってしまったらそれまでだが、山下町界隈ではなく馬車道にあるって事がある意味、貴重。
  "エスプレッソ"の味にも量にもかなりのこだわりを感じさせ、横浜界隈で楽しめるエスプレッソとしては中々に意欲的というか野心的。色々大変かもしれないが、頑張って定着してくれる事を希望したいね。