2011年8月23日

「空海と密教美術」展

空海と密教美術

暑さと忙しさにかまけてだいぶサボった感のあるブログ更新だが、そんな中やっと「空海と密教美術」展に行ってきた。

仏ガール達の一番人気である東寺の「帝釈天騎象像」を含め、立体曼荼羅8体がトーハクにやってきているワケだからさぞかし混雑しているものと覚悟して行ったのだが、想像ほどの込み具合ではなかったので、心行くまで360°鑑賞できたのは良かった。

帝釈天騎象像梵天坐像

立体曼荼羅8体を揃って鑑賞する事が出来るだけでも(しかも上野で)素晴らしい機会なのだが、個人的には仏像の中でも好きな「梵天坐像」をまじかに鑑賞する事が出来たのは本当に感動的だ。

端正なお顔立ちで理知的な印象の帝釈天騎象像はこの8体の中でも圧倒的な造形美で人気の理由は良く理解できるが、梵天坐像の正面から醸される静謐な雰囲気は凄く良い。

東寺には行かねば行かねばと思いつつ中々果たせずじまいだっただけに、東京で鑑賞する機会が得られてラッキーだった。

2011年8月 1日

「不滅のシンボル 鳳凰と獅子」展

鳳凰と獅子展
少し前だが、サントリー美術館で開催していた「開館50周年記念『美を結ぶ。美をひらく。』Ⅱ 不滅のシンボル 鳳凰と獅子」展を鑑賞した。

【展示会概要】

日本の古代史において鳳凰と獅子は、特別な存在です。鳳凰は優れた天子が世に現れる兆しとして、古代中国で生み出された空想の鳥であり、対する獅子は、日本に棲息しないライオンを原型とし、やはり中国から唐獅子という半ば空想上の動物として伝わりました。いずれも宗教・儀礼や民俗・芸能に広く深く取り込まれ、それぞれ祝儀にふさわしい高貴なシンボルとして、繰り返し絵画や工芸の意匠となってきました。鳳凰と獅子の多岐にわたる造形表現は、日本文化全般におけるハレの場面と、常に密接に関わりあいながら、その不滅の生命を今に伝えていると言えるでしょう。この展覧会では、鳳凰と獅子という瑞鳥、霊獣のイメージの展開に注目します。高貴な姿の鳳凰や威厳あふれる獅子の変遷を、屈指の名品によってたどりながら、人々が鳳凰や獅子に託した祈りや、豊かな空想のはばたきを感じていただければ幸いです。

展示会の目玉は、やはり個人的にも伊藤若冲の三幅だが、前後期の展示に別けていたので「花鳥図押絵貼屏風」しか観る事が出来なかったのは残念だった。
ただ、初めてじかに鑑賞した「花鳥図押絵貼屏風」は若冲の筆跡の美しさや計算されつくした構図の見事さ、躊躇いうものが一切なく絶対にミスをしない筆遣いの腕に見惚れてしまうほど、モノクロームな美しさが表れていてこの一幅だけでも充分、満足満足。

それにしても、若冲に限らず、この鬼気迫る迫力と緊張度の高い集中力を絵から感じられるのが、手直しがいくらでも利く油絵の西欧絵画と日本美術絵画とは違う醍醐味だろう。

なんか若冲の事だけしか書かなかったが、それ以外にも国宝の文殊渡海図や平等院の鳳凰の彫像レプリカ、等々、鳳凰好き獅子好きにはたまらない展示内容ではあったが、毎度の事ながら、やや平板というか凡庸な展示方法には不満が残った。サントリー美術館はそのあたりの工夫がちょっと足りないと感じさせられる事がよくある。展示会に興味のある客には"それなり"でも充分な内容かもしれないが、もうひとつ先の興味を惹き付ける様な構成を考えないと、単なる歴史資料館の常設展示のような無味乾燥に終わってしまうと思うだけに、ちと残念。